富田屋は踏み台になり、羽ばたいて欲しい |
仕事でご来店いただいた方とお話ししていた時に
すごく感激していただいたことがありました。
とてもうれしかったので、ご報告いたします!
それは通販専門の自家焙煎コーヒー豆販売店:珈琲の富田屋の
スタッフの採用についてでした。
あと、最近話題のパプアニューギニア海産さんでの働き方がとても素晴らしく、
それに触発されたというのもあり、書く決心が出来ました。
富田屋でもパプアニューギニア海産さんの働き方を真似したい!
でも、まだどうすればいいのか、全然見当もつかない状況。
↓パプアニューギニア海産さんの働き方についてのブログ記事。
http://pngebi.greenwebs.net/?p=4938
↓パプアニューギニア海産さんのフェイスブックページ。
https://www.facebook.com/pngebi/?pnref=lhc
珈琲の富田屋では下の子が生まれてすぐから5年ほど
1日2~3時間ほどのお仕事をしてもらえる人を雇っています。
1.先着順で採用。
仕事内容はコーヒーのラベル貼り、
コーヒー豆を100g、200gに分けて袋詰めする、
コーヒー豆を粉に挽く、
コーヒー豆をご注文ごとに分けて梱包する、
あて名書きをする、掃除をする、
麻袋で来たコーヒーの生豆を10kgごとに小分けにする、
などなど、いろいろあります。
富田屋で雇えるスタッフは今は1名だけです。
こちらから良さそうな窓口にこちらの事情を説明して、相談して、
富田屋に合いそうな人が面接にやって来ます。
もう、コチラとしては面接に来てもらえる時点で即採用です。
なんか、社訓の速攻支払と被るような気がしますが・・・。
名付けて速攻採用とか?
履歴書とか、珈琲の富田屋で働きたい理由とか、
どこの学校を出たとか、
何も聞きませんし、何の提出も求めません。
なぜ、速攻採用か。
まず、不採用にする勇気もありませんし、
ミスチルのメンバーの構成を知って驚いたことも大きいかも知れません。
(ミスチルが好きか嫌いかはさておき)
だって、メンバーはただの中学校、高校の同窓生なんですよ!
驚きじゃないですか?
普通はキレのあるギタリストとか、いいビートを刻むドラマーとかを探して
良いバンドを作ろうとするだろうに、
寄せ集め的な感じがプンプンして、
それでいて、第一線でずっと存在していることに、単純に凄いと思いました。
だからどんな人でも可能性はあるんだと、思いました。
リーダーやバンドの意気込みとかは相当影響すると思いますが。
そういうことで、先着で採用です。
いや、採用というか、富田屋に面接に来てもらった方に
最終的には来たいか来たくないかを判断してもらっている
と言った方が正しいかも知れません。
2.好んで障害者を採用。
特に変な趣味がある訳ではありません。特に賃金が安いわけでもありません。
福祉作業所というところでは1ヶ月フルで働いても
もらえる工賃は20000円(1ヶ月)ほどだそうです。
最初に採用に至った障害者生活支援事業所の職員の人たちは
富田屋が普通に時給で給料を払うというと
とても驚き、とても喜んでおられたのが印象に残っています。
こちらはその反応に逆にびっくりした訳ですが・・・。
それだけ、実際の障害者の賃金は安いということです。
下の子が難聴だったので、
最初は耳の聞こえない聾の方(マチ子さん)に来ていただきました。
マチ子さんは奈良に引っ越すまでの4年間、バッチリ勤めていただきました。
とてもテキパキと仕事をされるおばさんでした。
(下の子が生まれる前はマキコさんという普通の若い女性に仕事してもらっていました)
なぜ聾の方に来てもらったかというと、息子を育てるにあたって、
先輩聾者からのアドバイスを頂けるのではという期待からです。
そして、障害のある方とお近づきになれるチャンスでもありましたし、
強制的に手話を覚えないといけない状況になるかもという期待もありました。
僕は言うのも恥ずかしいくらい、
ほんの少しだけ手話を理解できるようになれましたが
自分で使えるのは10個もないような気がします。
でも、いろいろと教えていただくことがあって本当に助かりました。
3.連続で好んで障害者を雇う、そのワケ。
奈良に引っ越す前に守口市で働いてもらっていたマチ子さんはお母さんと2人暮らしでした。
お母さんは90歳近い方です(でも元気!)。
そのお母さんは娘が働きに出るようになって
とても喜んでくださったのです。
こちらがビックリするぐらいです。
つまり、障害者の方が普通に働くということは
極めて珍しく、大変なことなんだなぁと、思い知ったのです。
障害者の親だったり、身近な人、関わる人が喜んでくれるという、
自分の想像していないことが起こり、喜びを実感しました。
だから、奈良に引っ越してからもすぐに障害者を探しました。
普通の人を雇っても、そんなには喜んでくれませんよね。
僕たちはそれを知り、とても嬉しかったです。
引っ越し前に今井町を散策していると「障害者就業・生活支援センター ブリッジ」
という建物があるのに気づきました。
その記憶が残っていて、そちらに相談して
1人来てくれることになりました。
4.巣立ち
その彼は1年4カ月ぐらい富田屋で働き続けて
障害者就業・生活支援センター ブリッジさんからのすすめで
とある会社の研修(就業体験)に行きたいと言いました。
その研修が終わり、その会社から「うちで働かないか?」と言われたそうです。
富田屋のコーヒー豆の売り上げが上がって
仕事時間も増えていれば彼も
ここでフルタイムで働けたでしょうが、、、
僕らの力の無さです。
無事に富田屋を辞め、その会社に入ることが出来ました。
本当に巣立って行った感じがします。
これもまた本当にうれしいことです。
富田屋を踏み台にして次へと羽ばたいていく!
いいですね。
僕らはそういう役割でいいのかも知れません。
そういう風に思えた彼の巣立ちでした。
スダチゆえにちょっとショッパイ思いもしました^^
おかげで
富田屋は障害者の踏み台になる!
新しい役割が見つかりました。
※当初の文章で事実と異なる記載がございました。
関係者の方には深くお詫びいたします。
5.小さいからこそ出来ること=大手には出来ないこと
こういうことは企業さんにはなかなかできないことだと思います。もちろん、取り組んでいる会社もありますが
利益だけを追求してる会社には出来ないでしょう。
でも、利益だけを追求する世の中だから
精神的な障害者が増えてしまったんだと思います。
大手が考え方を変えればどんどん減っていくんだと思います。
でも、僕らはこういうことをやることで、成長しますし
その周りの人に喜んでもらえる。
企業では人は駒のように使われ、
まさに心も体も擦り減らしながら働きます。
店の成長だけじゃなく、
富田屋で働く人全員の人間的な成長を目指しています。
6.他にも広がれ!
単純に他にも広がればいいなぁと思います。速攻採用も、障害者の雇用も、
パプアニューギニア海産さんのフリースケジュールも。
ながながと書いてしまいましたが
最後まで読めましたか?
本当にお疲れ様でした。
最初にコーヒーを淹れて飲みながらゆっくりお読みくださいと
書いておけばよかったですね。
おわりっ。
珈琲の富田屋