2016年2月2日火曜日

野良着とコーヒーの共通性。

先日、野良着を手に入れました。
野良着というのは多分、普通の方はご存じないですよね。

野良着とは、昭和初期ぐらいまでは農村でよく着られていた農作業用の和服のことです。藍染めだったり刺し子だったり丈夫で長持ちして、動きやすい和服です。
ということです。
古~い服なので、ボロボロですし、継ぎはぎ、刺し子などされています。
人によっては「汚らしい」、と思われるかもしれませんし、
人によっては「良いの着てるね~!」となります。
古い野良着だと100年ほどずっと使われているのです。破けたら繕って、破けたら繕って。究極のエコですね。
昔の母ちゃんは夜なべして、やってくれていたんです。
その刺し子や継ぎはぎが最近では値打ちが出てきているようです。たしかに、年月を掛けないと出せない味わい。
世界のユニクロさんと言えども、作ることは困難でしょう。
この野良着が高いものではなんと20万円を越えます。
ボクの手に入れたのはそんなに高くないですが、とても気に入っています。

ボク:これが流行っているんですよ。

あなた:どこで?

ボク:ここで。ここ、今井町で。

あなた:ええっ!?

そうなんです。
ここ今井町でなんと1、2、3、・・・4、5人。5人も着ている人がいるのです。
しかも、これからまだ増えそうです。
狭い町なのにすごい人気でしょ~。
仕掛け人は関東から越してこられたMさん。

今井町に限らず、日本中でやっぱりちょっと流行っているようです。

実際クラウドファンディングの企画では60万円も集まっています!
http://kibi-dango.jp/info.php?type=items&id=I0000082

ボクはこの町に越してきて、ちょっと着物を着てみたいなぁという気持ちがありました。
でも、なかなか、勇気の要ることです。
そんな思いも露知らず、Mさんは堂々と野良着を着て町を歩いておられました。
カッコイイですね~。

着物をネットで探している時、野良着を見つけていましたが、これはどうやって着るのか、そして、着てみて違和感無いのか、汚らしく見えないのか、いろいろ不安でした。
でも、Mさんのを見てイケル!と思いました。

また、Full Springの春さんもメチャクチャカッコよく着ています。
もう、和服か洋服か分からないほどしっくり。
あの着こなしはすごいです。

その2人を見た後、Mさんにコレクションを見せていただくことになりました。
いろいろあって、いろいろ合わせて、自分なりにしっくり来たのが2着。
なかには長い丈の野良着もあって、それを着るとボクの場合、昔の探偵、金田一耕助みたいになって一人で「似合わへんなぁ」とぼやいていました。
いろんなコレクションの中から、Mさんが一番手直しして、手を掛けたのが気に入ってしまいました。
50時間ほども針でチクチクされたということです。

Mさんはボクに「全部来てみな。 着てみねぇと合うか合うねぇかわかんねぇんだ。」といいます。
はたまた「恥ずかしがってちゃ駄目だ、堂々と着てればいいんだ。」 とか
「着るまで興味なかったのに、着たら、『あれ、意外とイケル』って事があるんだ」とか
「着たらこっちのもんだ」とか
「一度着だすと、4着、5着と増えていくよ。」

と名言が次から次へと出てきます。

あれ?これは何かと似ているなぁと会話をしていて思いました。
そうです!コーヒーです。
最近、富田屋では時間があるときはコーヒーの試飲を出来るようにしました。
その試飲を飲んでいただいた方はこれまで全員、100%コーヒーをお買い上げいただいています。
これは不思議な現象でした。
でも、野良着もコーヒーも一緒で、一度着るとずっと着たくなる、一度飲むと家でも飲みたくなる、という共通性があるのかもと思いました。

洋服屋さんに行くと必ず試着を促されるのはそういう心理を突いているのかも知れませんね。

コーヒー豆屋さんも、何か食べ物屋さんも、試飲、試食はやった方がいいんですね。
でも、マズイものだったらやっぱり誰も買ってくれないので、自信のある商品がオススメです。

そんなこんなで、今日も野良着を着て今井町を歩いて、今は野良着を着てコーヒーを飲んでいます。
コーヒーをこぼしても、野良着ならそれほど気にしなくてもいいでしょう?

そんな感じです。
おわりっ!

野良着はこんな感じです↓

→ヤフオク 野良着

珈琲の富田屋
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