2010年6月19日土曜日

初「文楽鑑賞教室」。


先日、年に一度催されるという「文楽デー」に行ってまいった。
この「文楽デー」というのは、大阪市が初心者向けの文楽上演会として毎年開催しているイベントで今年で7回目。
文楽鑑賞のほか、参加型企画を用意し、新たなファンの開拓を図るというものだ。
今回初めて知ったのですが、「文楽」というのは大阪の伝統芸能だそうだ。
なんとなく関東のものだと思っていたが。おどろいた。
そんな訳で、語りのイントネーションは全て大阪弁。
関東弁とか違うイントネーションで語ってしまうと
『訛ってる。』と叱られるというから面白い。

さっそく、幕が開いて始まったのは、「団子売り」
夫婦二人で仲良くお団子を売るというお話。
これは、イアホンガイドを付けずに観たので、
内容がいまひとつ分かっていなかったようだ。(初め夫婦ゲンカしていると思っていた)
内容はともかく人形の動きに釘付けだった。
夫婦が一人ずつ踊るのが、観ているとだんだん本当の
人間のように見えてきて、不思議な光景だった。
人形はだいたい3キロ〜10キロくらいあって、三人で操っているのだが
足を操るのに10年そして人形の左側を操るのに10年かかると言われるほど
とても難しいらしい。
主遣い(人形を操る3人の中で主となる人。黒衣は着ない)の方は
それほど年配のようには見えなかったが、
やはりそこは「好きこそものの上手なれ」なのだろう。
見入っているうちに終わってしまった。

その後続いたのは、中・高校生向きと思われる
「文楽」についてのお話。
テンポ良い解説と大阪らしいボケとツッコミのようなものも交えながら
楽しい説明で私に丁度よかったです。
分かりやすかった。

その後、義太夫体験コーナー。
女の人二人舞台の上に上がって頑張って体験してました。
お一人はハンガリーの方でしたが、難しい日本語を本当に上手に唸っていました。
拍手♪

休憩をはさんで「ひらがな盛衰記」。
「ひらがな」というのは、通俗的(ひらがな)に戯曲化したという意味らしい。
(「カタカナ盛衰記」ってよく言い間違えるのは私だけか....)
これは、イアホンガイドを付けて観ていたので内容がすんなり入ってきました。
イアホンガイドは必要だ!
「お筆」という人が登場する時は、
筆と関連のある「墨」や「硯」の言葉が盛り込まれているなんていうことも分かったし、
「松右衛門」という人が、本当の身分を義父と嫁にあかす前の「お筆」とのやり取りなど
(お筆は松右衛門の身分を知っていたが義父と嫁は知らなかった)実に実に奥深いものがありました。

そして物語の佳境といえる義父と嫁が子ども(義父からみると孫)の死を知らされた時の
義父の唸り怒り悲しみ......目から涙があふれ出ちゃいましたねぇ。やっぱり。
隣で観ていた人はもっと泣いてたしね。
これはもう本当にすばらしかった!!!!

内容については、ツッコミどころ満載なような気がしないでもないですが(笑)
例えば、松右衛門が身分を義父と嫁にあかすところ、
イキナリ『頭が高〜い!!!』って言い出すから、ぷー(笑)って笑ってしまいそうになりました。
子どもが亡くなって悲嘆にくれているのに「頭が高い」っておかしい(←面白いの意味でない)よと。
今はそういう時じゃないんだよ、と思いましたね。私は現代人ですかね!?

いや〜でも武士はエライ。
エライからこそ亡くなった子どももうかばれるというものです。
やっぱり松右衛門を立てておきたいと思います!松右衛門は立派でした!
でも、今武士というのがなくなってほんとによかったな。

武士の生き方・考え方を考えさせられたお話でした。
また、観たいなあ。



最後に.....上の写真は終演後のロビーにて。
三味線体験をしているハンドピッカー。
バイセン人の携帯で撮影したのですが、
イマドキの携帯とは思えぬ画像の悪さ。すみません。
この体験の後なぜか、テレビと新聞の取材を受けちゃいました。
私が2番目に体験したので、きっと早く取材を済ませて記事にしたかったんでしょう。
でも「おっいい音出てますね〜」と言われてうれしかったです。お世辞でも。



次は、夏休みにある親子企画文楽を観に行きたいと思います♪



まめまめ話:「文楽」=「人形浄瑠璃」のこと。